期間は9月15日〜9月20日の6日間。
シルバーウィークの3連休を利用し、3日間だけ仕事を休んでカンボジアに行かせてもらいました。
ちなみに今回の目的は観光ではなく、ほぼ仕事。
というのも、今うちの団体(かものはしプロジェクト)のWEBサイトリニューアルを担当してるのですが、そこで最新の活動を反映した写真を載せたいので、であればいっそカンボジアに撮りに行ってしまえばいいじゃないと。
その撮影をするために、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんと、デザイナーの生駒さんに協力してもらい、早速撮影チームを編成。
安田さんはスタディツアーのコンダクターとしてすでにカンボジアに入っていたので、僕と生駒さんが後から現地入りし、うちのファクトリーや農村を回って撮影を行いました。
まず15日の午後に日本を出て、その夜は台湾空港でトランジットが13時間もかかり、結局夜は空港の中でベンチに寝る始末。
台湾空港の夜はとても寒いので、もし同じ事をされる方は厚着しておいたほうがいいと思います。
以下、台湾空港のカフェでmacいじりながら飲み食いしたものを紹介。
以下、台湾空港のカフェでmacいじりながら飲み食いしたものを紹介。
台湾ゴールデンビール。飲みやすい。 |
小籠包。肉汁旨し。 |
なんからーめんみたいなやつ。なぜかシナモンが入ってる。 |
16日の朝イチで台湾を出発し、プノンペン空港へ。
もうすぐ到着とのアナウンスがあったので、窓から外を見下ろしてみて驚いたのですが、
これは無事に空港に着けるのか?という不安があったのだが、なんとか飛行機は着陸。
一応市街地の方はそこまでの被害ではない様子。
ただ16日からシェムリアップにあるファクトリーでの撮影が入っているので、プノンペンの街をまわる時間もなく、すぐにタクシーに飛び乗り、一路シェムリアップへ。
タクシーで5時間くらい揺られ、ついにクチャにあるうちのファクトリーへ到着。
ブントウさんは日本にいる時に報告書の写真で見たことがあるくらいだったのですが、実際にご本人にお会いすると、すごい気さくで良い方でした。
その後は次の日の撮影の打ち合わせを軽くし、そのままファクトリーのパーティーに参加。
パーティーではファクトリーで働く女性がカラオケをしたり、音楽をかけて踊ったりと、普段日本では見れない彼女たちのプライベートな一面を見ることが出来た。
その日の夜、生駒さんと安田さんとは別行動になり、本木さんと一緒にカラオケ店での売春行為への潜入調査を行なうことに。
本木さんと一緒にシェムリアップの街中に行くと、まずいきなり道端の女性2人に声をかけられる。
本木さん曰く、最近は街頭に立ってお客さんを見つける立ち売春も増えているらしい。
正直僕はこういった潜入調査などしたこともないので、かなり焦ってしまったのだけど、本木さんは堂々と店に入って店員と交渉を進めていく。(さすがの一言)
そして運転手が、「何番の子がいい?」と聞いてくるのである。
本木さんが、「もっと若い子はいないのか?」と聞くと、運転手は店のオーナーらしき女性と交渉し、また僕らの方へ戻ってきて「ここには18歳〜27歳までしかいない。17歳以下はいないよ。」とのこと。
次の店は日本でいうキャバクラのようなもの。
ここでも女の子がナンバーカードを付けている。
話を聞くと、女の子を選んで席に着き、ご飯とお酒を飲むのが基本であり、
そこから本人と交渉し、合意の上であれば本番行為も出来るらしい。
試しに、あの子はいくらなのか?という事を運転手に聞くと、
運転手が僕らの目の前でその子と交渉し、戻ってくると、
「あの子は体は売らないらしいよ」とのこと。
どうやら店の中でも本番行為をする女性としない女性がいるらしいですね。
この店も後にし、また別の店に。
次の店は繁華街をちょっと離れた農村の方にある小さいカラオケ店。
これまでの2軒のように、いかにも経営されている感じではなく、
どこか家族経営でやっているようなこじんまりとした雰囲気。
ここでは実際に店の中に入る事にし、カラオケルームに通され、
本木さんと僕の横に、女の子が3人付いてきた。(なぜか運転手も一緒に飲んでいる笑)
本木さんが横にいた女の子に、「本番行為はいくらでできるのか?」と聞くと、
その子は即答せず、店の裏に行き、戻ってきてから、「30ドル」と答えた。
なかなか衝撃だった。
本木さんはこれでも高い方だと言うが、たった2、3千円で少女が体を売ってしまうのである。
しかも話を聞くと、この3人はどうやら3姉妹であるらしい。
やはり、家族経営で行なっているのだろう。
肉親に公認で体を売る行為をしている。あたかも普通の事であるかのごとく。
正直かなりの量のビールを飲んでしまったと思うのだけど、僕はまったく酔うことができなかった。
ちなみに、店の中にはちゃんとホットラインの番号が貼られてあった。
警察がちゃんとこういった店まで来て貼るように促しているのだろう。
ちなみに、店の中にはちゃんとホットラインの番号が貼られてあった。
警察がちゃんとこういった店まで来て貼るように促しているのだろう。
ちょっとわかりにくいですが・・・ |
結局この店を最後にし、今日の一日は終わり。
ホテルに帰り、15日に日本を出てからまともに休めていなかった体を休ませる。
次の日が撮影本番。
そして17日、この日は一日中撮影を行なう。
まず、午前中にファクトリーを訪れ、青木さんと一緒に女性たちの働く姿を撮影していく。
なにより4年前との違いとして、「仕組み」がかなりしっかりしている。
整理整頓もちゃんとされており、工程ごとに場所が整理され、ミシンのメンテナンスも完璧。
休憩時は鐘を鳴らし、一斉に休憩を取り、またみんなで作業をスタートする。
作業中は余計なおしゃべりはあまりなく、みな真剣に作業に取り組んでいる。
4年前にファクトリーに来たときは、自分たちが働いて稼いだお金が実際に使われている現場を見る事で働くモチベーションを刺激されたが、今回はさらに女性たちの真剣な眼差しを見ることで、自分たちも負けてられないな、という強いモチベーションにつなげることができた。
つくづく、うちのファクトリーには、支援の形の本質があると思う。
(内部の人間だからって誇張しているわけではなく)
簡単にお金を渡すのではなく、「環境」と「仕組み」という「機会」を提供してあげれば、彼らは誰もが持った「生きる強さ」を発揮し、活き活きと自立に向けた成長を具現化していくのだという、理想の形である。
かものはしに興味のある人、もうすでにかものはしを何らかの形で支援してくださっている方、かものはしには興味無くても、支援の形に悩んでいる方は、是非一度うちのファクトリーに足を運んで欲しいな、って思う。
百聞は一見にしかず、ですよ。
という訳でファクトリーの撮影を終え、次は農村での貧困層の家の撮影。
ファクトリーで働く女性何人かにお願いし、同行して彼女らの家に向かう。
3人選んだのだが、一人は再貧困層ではなく中間くらいであるとの事。
ピックアップバンに乗り込み家を目指したのだが、途中一人の少女に話を聞くと、
家からファクトリーまでは自転車で1時間かけているとのこと。
それだけでもすごいと思ったのだが、車を走らせると、半端無い悪路なのである。
ここを1時間もかけて毎日通勤している。こんな体躯も小さな17歳の少女が。
改めて脱帽である。
家に着くと、本当に家の周りには何もなく、家畜のにわとりや牛がいるくらいで、
家自体も壁は藁で出来ており、所々穴が開いている。
これが再貧困層の村の状況なのである。
なんとも言葉にならない。
次に例の中間くらいの家に行ったのだが、さして再貧困層の家と変わらず、壁が板になっているくらいで、他はほとんど変わりない。
以前、本木さんが日本で行った報告会の中で、
「ファクトリーで働く女性たちは給料が入るとすぐに服などオシャレになるための物を買ってしまう。彼女たちの状況を考えれば貯蓄をして欲しいのに。」
という事を言っていたのを思い出したのだが、確かにこんな家の状況なのに、自分の服にお金を使ってしまう。そんなんじゃダメだろう、と思いたくもなるのだが、でも、一緒に行動していると、やはり彼女たちも普通の女の子なのだな、と思ってしまう。
ファクトリーに100人近い同年代の女の子が集まっていて、オシャレに気を使わない訳がない。
頭では貯蓄して欲しいと思うが、心では彼女らの気持ちが分かってしまう。
スタツア生がファクトリーを訪れた際に、彼女たちにネイルを塗ってあげるという企画を行ったらしいのだが、沢山の女の子が集まってかなり盛り上がっていた。
女の子も本当に喜んでいたし、スタツア生との交流も出来、とても良い事だと思うのだが、
一方でそういったオシャレに対する意識をさらに上げてしまう事の不安も感じてしまったりもする。(考え過ぎかな)
あと青木さんと話した際に、女性が辞めてしまう理由の1つに、ファクトリーの給料ではやっていけなく、もっと大きなお金が稼ぎたいので街に出稼ぎに行ってしまうのだという。
そもそも街で出稼ぎに出てブローカーに騙されてしまい、体を売らされてしまう、といった被害から彼女らを救うために行なっているのに、そういった理由でファクトリーを辞められてしまうのは、かなり悔しいだろうな、と思う。
かなり中身の濃い撮影が出来たと思う。
夜は生駒さんと安田さんと一緒に、青木さんがおすすめしてくれた餃子屋さんで晩飯。
その後オールドマーケットの近くのバーストリートでスタツア生も含めてみんなで飲み、0時近くにホテルに戻った。
アンコールビール旨し! |
その後オールドマーケットの近くのバーストリートでスタツア生も含めてみんなで飲み、0時近くにホテルに戻った。
かなり疲れてたので、生駒さんも僕もすぐに寝てしまった。
18日は午前中に本木さんの残り1カットの撮影を行い、これで全ての撮影が終了。
安田さん、生駒さん、本当にお疲れ様でした!
午後は青木、本木、青木さんの奥さん、安田さん、生駒さんでランチをし、その後軽く打ち合わせをし、安田さんを空港まで送りました。
その日は新しいかものはしの現地インターンの方の歓迎会を行い、終了。
前日の撮影でかなり疲れていたので、ゆっくりとした一日でした。
19日は完全フリーだったので、遺跡観光も出来たのだけど、
生駒さんも僕も前半の撮影で完全燃焼してしまっていたので、特にどこに行くでもなく、
午後にクルクメールでおみやげを買い、その後は生駒さんと別行動にし、僕はブルーパンプキンで仕事をしていました。
今回シェムリアップで感じたのは、どのホテルもカフェもフリーwifiが入っており、不便なく仕事できてしまう。
日本ではwifiにはすべからくパスワードがかかり、地方のビジネスホテルでは有線LANしか無い場合もある中、カンボジアの方がモバイルで仕事しやすいのでは?と思ってしまうほど。
バーストリートには多くのバーが並び、クラブも増えて音楽がけたたましく鳴り響いいている。
ただその一方、車で30分程度の農村では、満足な衣食住もなく、貧しい生活を送っている人がいる。
格差が大きくなっているのだな、と思う。
その日の夜は、本木さんセレクトの韓国料理。
これがなかなかボリューミーで旨い。
その後また別の店で飲み直したのだけど、そこにあった牛の革で作った彫刻であるスバイク・トムというものが素敵だった。
その日の夜は、本木さんセレクトの韓国料理。
これがなかなかボリューミーで旨い。
その後また別の店で飲み直したのだけど、そこにあった牛の革で作った彫刻であるスバイク・トムというものが素敵だった。
光にかざすと素敵。これは欲しい。 |
最後20日の朝、仕事の前にわざわざ本木さんが朝飯に付き合ってくれ、最後のカンボジア料理を楽しみ、一路シェムリアップ空港へ。
最初から最後まで、本木さんと青木さんには本当にお世話になりました。
4年振りに来て一番思ったのは、本木さんと青木さんの現地での絶対的な安心感。
さすがに長い時間ここで過ごしているだけはあるな、と思うほど、溶け込んでいる。
すごいなぁ、と思う。(稚拙な言葉ですいません笑)
なにより、かものはしを辞める前に、カンボジアでお二人と飲むことが出来て、本当に嬉しかったです。
安田さん、生駒さんとの写真撮影が表の目的であれば、裏の目的は二人とカンボジアで飲むことでしたから笑。
今回、WEBリニューアルプロジェクトの進行が遅れている中で、かなり強行で進めてしまったのですが、結果としてかなり良い成果が生み出せたと思っています。
日本事務所のみなさまにはご迷惑をおかけしましたが、より良いWEBサイトにするべく、これから頑張って行きます。
どうぞみなさまお楽しみに。